「たまに会議で見かけた時、雪乃が何か意見を言いたそうにしていた姿を知っていた。だが、これは自分の企画じゃないから。と飲み込んでいただろ」
「よくそんなことまで……」
「雪乃は今回の仕事での顔合わせの時が、初対面だと思っているだろうけど。俺は以前から雪乃の事は知っていた」
仕事ができる佳乃の方を「西本」と認識していたのなら分かる。
なのに、出来ない方の私を知っていてくれたなんて。
自分の知らない所で、誰かが見ていてくれたことに嬉しくなった。
でも、それなら余計に。
こっちは勝手に「こんな人なんだろうな」的なイメージしか持っていなかったことを、申し訳なく思えてくる。
もっと、ちゃんと副社長の事を知ろうとする努力をすればよかった。
会計を済ませた荷物を請け負った副社長は「次の店に行こう」と、気にする事無く私を誘った。
それから数軒ショップ巡りをし、気に入った物を購入していく。
途中、海辺のレストランでランチを取り。
マンションへ帰る頃には、車のトランクは荷物でいっぱいになっていた。
「結構買い込んだな」
「ですね。思った以上に買い過ぎちゃったかも」



