「それならよかった。今回も向日葵? それとも、違う感じにする?」

「今回はプリザーブドフラワーにしようと思うの。生花もきれいだけれど、枯れてしまうと寂しくなるから……この棚にあるものから選んでもいいのかしら?」

「うん」


 倉本は、今日もまた向日葵のように明るい笑顔で話をし、商品を選んでいた。まるで今から好きな人にでも会いにいくのかっていうくらいに、楽しそうにみえる。

 白のTシャツにジーンズとラフな服装なのに、どうしてこうもキマッているのだろうか。僕もエプロンの下は同じような格好をしているのに、彼女とは雲泥の差だ。


「……じゃあ、これにしようかしら」

 彼女が指差したのは、桃色の薔薇が印象的なものだった。黒い箱の中に花が敷き詰められていて、箱を閉じてリボンを巻くだけでプレゼント仕様になる。


「わかった。ラッピングするから少しだけ待ってて。この前より待たせないから」