学校戦争。

「皆さん、ご卒業おめでとうございます。」


春、まだ桜は咲いていないけど、朝つくしを見かけるぐらいには暖かくなってきた頃。

私たちは卒業式を迎えた。

私は公立高校に行くので、制服を着るのは今日が最後。

毎日私服で行くのは、ちょっとめんどくさい気もするけど楽しみでもある。

私、早川詩衣は眠さをこらえ、校長の話を聞いた。


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早川 詩衣 (ハヤカワ シイ)

勉強は出来るが、少し抜けている。
明るいムードメーカー的存在で、友達も多い。
二年生の時、転校してきた。

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「卒業したね、ウチら。」


教室に戻ると、友達のウユが話しかけてきた。



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最原 ウユ (サイハラ ウユ)

いつも一緒にいる仲のいい友達の1人。ハーフ。
勉強は出来ないが、みんなをまとめることや、行動力があることから、クラスの中心的存在。
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『なんだか、寂しいね。』


「なにいってんの。学校ちがくたって会えるじゃん。」


「ウユは、人ん家きてお菓子たかるだけじゃん。」


二人で話していると、翠が教室に戻ってきた。
隣のクラスの子と話していたのだと思う。


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麻磨世 翠 (アサマセ ミドリ)

有香と翠と三人でいつも一緒にいる。
マイペースでめんどくさい事は絶対にやらない。
気分屋で、仲のいい人は二人と隣のクラスに一人だけ。
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『翠も人のこと言えないよ。私の家のお菓子、全部無くなっちゃったし...。』


卒業式なのに、いつもと変わらない会話。

でも、これでいい。

これが私たちには丁度いい。


「でもさ、もうちょい中学生がよくない?」


「ウユはな?私は高校憧れてたし?」


『新しい出会いがあるかもだし?』


楽しいな...。
ずっと三人でいたいな。
そう思った時。


も の す ご い お と が し た


____ドォォォォォォォォンッッッ!!!!!!!!



『ッ!!!!なに!?』


音は窓の外。
中庭を挟み、向かい側の教室。


「職員室がっ!!!」


立ち込める煙。
窓に付着している液体。

ナニカがオカシイ。

その時、頭が割るような不協和音とともに、機械音のような耳障りな声が、耳に入ってきた。