進路希望調査。

この恨めしい六文字に私の心は悩まされている。

中学3年の夏休み前。
この時期が1番重要だということは、先生や親から耳にタコができるほど聞いた。

しかし、憂鬱だ。

夏休みというのは遊び呆けて、だらだらして、日頃のストレスを発散する長期休暇ではなかったのか。

ああ、まさかこの長期休暇がストレスの原因になる日が来るなんて思いもしなかった。

高校なんてどこでもいいよ。

そりゃ看護師や消防士とか、夢がある人は各々の道に進めばいいと思うよ。

でも、夢がない人はどうしたらいい?

今この時点で、将来に希望が持てずに、なんの夢もない人間は、これから先やって行けるのだろうか。

そんなことを考えていると、いつの間にか1学期最後の授業が終わっていて、教室の空気は騒がしくなっていた。

そして、手元にある私だけ出していない進路希望調査表を強く握ってしまっていた。

端が少しぐしゃっとなってしまっている。