ジリリリリリリリリ

けたたましく鳴る目覚ましに

私は夢の世界から引き戻された。

「夢、か。」


そう呟いてカーテンを開く。

外には、私の家の自慢の

桜並木が、綺麗な花を咲かして

立っている。

家の前に自然公園があるから、

桜並木が綺麗なのだ。

今日から高校2年生になる私は、

その景色に見とれていた。

「佳奈美ーー!早く下降りないと朝ごはん冷めるよー」

「今いく!」

お母さんと短いやり取りをして

私は階段を降りた。



あの桜を君と見ることはできない。

そう思うと胸がキュッと苦しかった。