とりあえずあたしは次の質問をしてみることにした。

どうして霊感のないあたしにレイが見えるのか。


「………」


それを尋ねた途端、神代君はさらに黙りこんだ。

え、何で?


「神……、春也?」


神代君、と言いそうになって言い直す。

うーん、なんかまだ慣れないな。


そんなことを考えていると、神代君が小さく呟いた。



「……俺のせい」

「え?」



神代君のせいって、あたしに見えることが?

それってどういう意味だろう。



「ハルに触ったことで、お前の中の霊感が目覚めちまったんだよ」


神代君の代わりに、レイがそう言った。



神代君に触ったことで?

あたしの中の霊感?


あたしは眉根をよせてレイを見つめた。

はぁ、とめんどくさそうな顔をしながらレイが説明を始める。


「もともとお前にはそういう素質があって、ハルみたいな霊感が強いやつに近づいたことで連鎖的に目覚めたっつーこと」


レイはその外見にそぐわない妙に大人びた発言をした。

この子、ホントにどこか特別なのかもしれない。


それより、神代君……。



「ごめん。美加」



罪悪感を表わした顔で、俯きながらそう言う神代君に、あたしは自分の胸がずきんと鈍く痛むのを感じた。



違う……。


神代君が悪いんじゃない。

神代君が謝るようなことじゃない。