「何であんたは特別なのよ」


かわいげのないレイに、あたしは棘のある言い方で聞く。

ていうか昨日の全部こいつのいたずらだとか信じられない、最低!


「お前には教えねぇ!」

「はあぁ!?」


いちいちむかつきポイントを突いてくるレイにイラッとして、でこピンをしようと手を伸ばす。

けれど。



すかっ



「え……っ」


あたしの手はレイの体をすり抜けた。

手を開いたり閉じたりしてみたけど、何も感触がない。


もしかして、幽霊って……。


「ばーか。触れるワケねえだろ」


あたしははっとして顔を上げた。


そう言ったレイは、どこか寂しそうな表情をしている。

何だか妙に居たたまれなくなって、あたしはわざとらしくふんっと顔をそらした。


そのとき。



「美加」



神代君があたしを見た。

心なしか、少しむっとした顔をしている。


え? 何で?


そう思っていると、レイが下からにやついた顔をしながら言った。


「ハル、こんくらいで嫉妬なんかすんなよー」

「え? 嫉妬!?」


これ嫉妬なんですか?

ていうかレイ、何でそんなませてんの。


「うるさい。美加、次の質問は」


顔を赤くしてそう言う神代君は、何だか可愛くてあたしはきゅんとする。

こんな顔もするんだ……。