それからあたしは神代君を問いつめた。
それでわかったこと。
まず、彼には霊感があって、幽霊とかの類が見えるってこと。
見えるってだけで、除霊とかそういうのはできないってこと。
そしてこの男の子の霊はレイという名前で、名付け親は神代君らしい(レイってそのまんますぎ!)。
かなりむかつくことに、昨日うちで起こった変な現象はレイのいたずらで、血だらけの姿だったのもあたしを驚かせるためだったらしい。
それらを聞いて、あたしは頭を抱えた。
今まで生きてきたあたしの日常には霊なんて全く関係なかったのに、思わぬところで関わってしまった。
ていうか、まだ疑問は残る。
祓ったりできないんなら、今まで神代君はどうやって過ごしてきたんだろう。
しかも何でこんなにレイと仲よさげなんだろう。
それに、何であたしにまでレイが見えるんだろう。
あたしには霊感なんて皆無なのに。
「ねえ」
「なに?」
何もわからないあたしにいろいろ説明したせいか、神代君は少し疲れているようにも見える。
でもあたしは続けた。
「祓ったりできないんでしょ?今までどうやってきたの?」
「………」
神代君は黙ったまま何やらごそごそと制服のポケットを探り始めた。
じっとそれを見ていると、出てきたのは白い紙だった。
「それ何?」
「魔除けのお札」
「……お、おふだ?」
うん、と彼は頷いた。
あたしは薄っぺらい長方形の紙をまじまじと見つめた。
これが、お札ってやつか……。
「これがあれば大抵の霊は近寄ってこれない」
「そうなんだ……って、あれ?じゃあ何でレイは大丈夫なの?」
「俺は特別なんだよ!」
レイがと鼻で笑っていばりながらそう言う。
何なの、特別って!



