「可愛いかもしれないけど好みじゃない」

「…ソコは否定しないんだ」

いじけた様に私が言うと
「女の子の居る店に行った事を隠したくなかったから洗いざらい言っただけだよ!俺はゆかりちゃんに早く会いたかったの!」と言った香坂君は少しムスッとしてる。

「私だってずっと会いたかった!…明日からは一週間位はアパートに帰ろうと思うから、作り置きのおかず作ったりして待ってたの」

待ってる時間は長くて、連絡もなかったから心配で朝まで帰って来ないのかな?とか良からぬ事を色々考えてたんだから。

「帰るって聞いてない!」

「言ってないよ。今日、決めたの…」

「何で?仕事忙しい?」

香坂君が少し怒った様な口調だった。

女の子の日が近付いていてホルモンバランスの関係から、私は涙脆くなっていた。

「違うよ…もうすぐ女の子の日になりそうだから…体調も悪くなるし、色々と不都合があるから帰ろうって思ったの」

涙がポロリとこぼれる。

「そっか…。ごめん、何も知らなくて。でも言って貰えて良かった!俺に嫌気がさしたのかな…って思ってついイライラしちゃって…。本当にごめんなさい」

私は首を横に振って「私もいつ切り出そうか迷っていたから…」と返事をした。

香坂君は私の涙を指でなぞってから、遅めの夕飯を食べ始めた。

私は香坂君の前に座って、食べてる姿を眺めていたらアクビが何回も続いた。

眠気が強いし、明日は完璧に女の子の日が来そうだと確信した。

「ゆかりちゃん、眠いなら先に寝る?」

「眠いけど…しばらく一緒に居られないから待ってる」

「そんな可愛い事言うと、逆に眠れなくさせるよ?」