「ゆかりちゃん、お風呂どうぞ」

お風呂から上がるなり、冷蔵庫からアルコール9%の強めの缶チューハイを取り出してグラスに注ぐ。

機嫌が悪そうにソファーに座り、テーブルに乱暴にグラスと缶チューハイを置いた。

「明日は仕事だから飲まないって言ったのに…」と私が小さく呟くと、「ゆかりちゃんが悪いんじゃん…」と小さく返答があった。

いつまでも拗ねているから少しイラッとしてしまい、グラスに注いであった缶チューハイを飲み干してドンッとテーブルに置いた。

「えーっ!?何で飲んじゃったの?」

「…香坂君がいつまでも拗ねてるから。年上の権限で飲みました!」

「…うわぁ、酷い。ゆかりちゃんって、そんな人だったんだ」

ため息を1つついて仁王立ちしながら
「猫被ってたけど、私、性格悪いんで」
と香坂君に物申す。

負けずに香坂君も
「俺だって性格悪いんで、ゆかりちゃんが明日仕事だって関係なく…」
と言って私を抱き寄せた。

「したくなったらするから」

「…や、だ。お風呂入りたいってば」

「聞こえませーんっ」

抱き寄せられて次第に行為がエスカレートしていくが、仕事帰りだからお風呂入りたい。

振りほどきたいのに、香坂君が離してくれなくて涙が出てきた。

「ごめん、ごめん。泣くほどお風呂入りたいなら、入ってからにしよ?」

「…もうしないもん」

香坂君から離れるとお風呂場へと向かう。

拗ねてる香坂君は危険だ。

自分で仕掛けたくせに謝って、香坂君も日下部さんも何なんだろう?

あれ?日下部さんの事をどうして思い出したんだろう・・・。

お風呂に入りながら、あれこれ考えていたら、先程飲み干した缶チューハイで酔いが回り始めた。

一気飲みは頭がフワフワする。

明日の忘年会は飲みすぎと一気飲みに気をつけよう───・・・・・・