「今日は晴れるって天気予報で言ってたし、ゆかりも喜ぶかなと思って…。ほら、こないだ行きたそうにCM見てたから、ここでいいかな?と思ったんだけど…」

「ありがと、有澄。大好きっ」

チケットを持ちながら、有澄に抱き着く。

どっちの誕生日だか分からなくなってしまったが、とにかく楽しみ。

ロールパンを少しレンジで温めて、あらかじめ用意しておいた卵やハム、レタス等の具材を挟む。

早く行きたいから、平日の朝食用に作りタメして冷凍して置いたミネストローネも使っちゃおう。

時刻は朝8時過ぎ。

有澄と一緒に朝食を取る。

「有澄、誕生日おめでとう」

改めてお祝いの言葉をかける。

「昨日の夜中にケーキ食べたりした…?」

ロールパンサンドを手に持ちながら、問いかける。

有澄は白々しく、「ゆかりが作ってくれたから嬉しくてつい食べたけど、下の方ならバレないかなって思って…」と返答した。

「いや、別に食べても良かったんだけど。日付けが変わったら、一緒にお祝いしたかっただけだから。帰って来てからにしよっか?」

「今、食べる」

「えー!?今なのぉ?」

ケーキは4号サイズで小さめ、ショートケーキ4個分位だから食べられなくはないかな?

ロウソクは24本立てられないから、日付のロウソク"7"と"1"の2本にした。

チョコレートの板にチョコペンで"Happy Birthday Dear Arito"って書いたけど・・・上手に書く事が出来なかった。

「あんまり上手に作れなくてごめんね…」

生クリームの絞り方もイマイチだし、スポンジも一度失敗してしまい二度目だけれど食べてみないと分からない。

「そんな事ないよ。手作りケーキって初めて食べるから嬉しい」