「有澄にはいつ伝えようって迷っていたけど、私の会社の社員になるなら避けては通れない道だと思って…。混乱を避ける為に隠していてごめんなさい」
社長が申し訳なさそうに謝るけれど、その話題を振られた有澄は急に不機嫌になる。
「大貴だけは知っていて、俺は何も知らずに生きてきた。今更知っても実感湧かないし、もっと前に知ってたら、いろはの社員にならなかった!」
話に食いついてきた有澄は自分の意見を言い切って、悔しそうに唇を噛んでいる。
「大貴には郁弥へのおつかいを頼んでいたのよ。本当に悪かったと思ってるわ…。せめて、成人した時にでも伝えれば良かったわね。それより…」
社長は話の途中で私をチラリと見て、
「有澄が大学卒業後もいろはで働きたいって言うからおかしいとは思ってたけど…まさか、ゆかりちゃんが居たからだったとはね!」
と言いながら微笑む。
「いろはに居るのは、5年との約束付きだったな、確か…」
お父様が口を挟み、
「副社長はいろはカフェで厨房からホールに移動したのは、秋葉さんと話したいからと言ってましたよ。一目惚れしたって…うぐっ…」
「大貴、余計な事言うなよ!いつもの守秘義務はぁ?」
「きょほは、プライ、ベトだから…あり、ません」
相良さんが余計な事を言ったので、恥ずかしくなった有澄は隣に座っている相良さんの口を手の平で塞ぐ。
自分の話題を振られた私も恥ずかしくなり、俯く。
有澄は初めは厨房に居て、ホールに移動したのは私に一目惚れしたからって・・・。
私はホールで有澄を見つけたけれど、有澄は私の事をもっと前から知っていた事になる。
気付かなかっただけで、私達はすれ違いを繰り返していたのかもしれない。
社長が申し訳なさそうに謝るけれど、その話題を振られた有澄は急に不機嫌になる。
「大貴だけは知っていて、俺は何も知らずに生きてきた。今更知っても実感湧かないし、もっと前に知ってたら、いろはの社員にならなかった!」
話に食いついてきた有澄は自分の意見を言い切って、悔しそうに唇を噛んでいる。
「大貴には郁弥へのおつかいを頼んでいたのよ。本当に悪かったと思ってるわ…。せめて、成人した時にでも伝えれば良かったわね。それより…」
社長は話の途中で私をチラリと見て、
「有澄が大学卒業後もいろはで働きたいって言うからおかしいとは思ってたけど…まさか、ゆかりちゃんが居たからだったとはね!」
と言いながら微笑む。
「いろはに居るのは、5年との約束付きだったな、確か…」
お父様が口を挟み、
「副社長はいろはカフェで厨房からホールに移動したのは、秋葉さんと話したいからと言ってましたよ。一目惚れしたって…うぐっ…」
「大貴、余計な事言うなよ!いつもの守秘義務はぁ?」
「きょほは、プライ、ベトだから…あり、ません」
相良さんが余計な事を言ったので、恥ずかしくなった有澄は隣に座っている相良さんの口を手の平で塞ぐ。
自分の話題を振られた私も恥ずかしくなり、俯く。
有澄は初めは厨房に居て、ホールに移動したのは私に一目惚れしたからって・・・。
私はホールで有澄を見つけたけれど、有澄は私の事をもっと前から知っていた事になる。
気付かなかっただけで、私達はすれ違いを繰り返していたのかもしれない。



