「……お腹痛いと思ったらやっぱりきた」
帰り際にトイレに寄ると女の子の日になっていた。
綾美とのおしゃべり中に下腹部に痛みを感じていたのでもしかしたら?とは思っていたが、やっぱりだった。
2週間ちょっと遅れてきた女の子の日はいつもよりも痛みが強い様だったが、安心して肩の荷が下りた。
有澄に後から報告しなきゃなぁ・・・。
「あっ!王子発見!改札口付近に居るの違う?」
「…は、恥ずかしいから王子って言うのやめて」
「香坂君、絵本に出てくる王子みたいなんだもん。こないだのゆかりを抱き抱えて連れ去る所、完全に王子以外の何者でもないよ。ほら、行きなよ。また明日ね、今日はありがと!」
トンッて背中を押されて、綾美は別れを告げる。
綾美は電話をしながら人の波の中に消えていった。
きっと高橋さんに電話をしているのだろう。
改札口まで急ぎ足で行ったが、有澄の姿を見失う。
電話してみようかな?と思い、バッグの中からスマホを取り出そうと手を入れた時に私の事を呼ぶ声がした。
「ゆかりの姿が見えた気がして戻って見たら、本当に居たからビックリしたよ」
「今、帰りなの?いつもより早いね」
「杉野さんとお茶するってメッセージあったから、家に着いたら連絡入れようと思ってたんだけど…」
行き交う人の流れの中、偶然に会えるって嬉しい。
嬉し過ぎて、顔がニヤける。
そうだった、嬉しいけれど今日からしばらくは一緒に居れないんだ。
伝えなきゃ!
「あ、あのね、さっき…きてたの。だから、今日は帰るね」
「…そっか。残念な気持ちもあるよね…。でも結婚してからならチャンスはいくらでもあるし…焦らなくてもいいよね?」
「……チャンス?」
「うん、いづれは赤ちゃん欲しいよねって話」
周りに聞こえないようにコソコソと小声で話していたつもりだが、有澄が小悪魔的な笑みを浮かべて顔を覗き込まれたから赤面して立ち止まる。
帰り際にトイレに寄ると女の子の日になっていた。
綾美とのおしゃべり中に下腹部に痛みを感じていたのでもしかしたら?とは思っていたが、やっぱりだった。
2週間ちょっと遅れてきた女の子の日はいつもよりも痛みが強い様だったが、安心して肩の荷が下りた。
有澄に後から報告しなきゃなぁ・・・。
「あっ!王子発見!改札口付近に居るの違う?」
「…は、恥ずかしいから王子って言うのやめて」
「香坂君、絵本に出てくる王子みたいなんだもん。こないだのゆかりを抱き抱えて連れ去る所、完全に王子以外の何者でもないよ。ほら、行きなよ。また明日ね、今日はありがと!」
トンッて背中を押されて、綾美は別れを告げる。
綾美は電話をしながら人の波の中に消えていった。
きっと高橋さんに電話をしているのだろう。
改札口まで急ぎ足で行ったが、有澄の姿を見失う。
電話してみようかな?と思い、バッグの中からスマホを取り出そうと手を入れた時に私の事を呼ぶ声がした。
「ゆかりの姿が見えた気がして戻って見たら、本当に居たからビックリしたよ」
「今、帰りなの?いつもより早いね」
「杉野さんとお茶するってメッセージあったから、家に着いたら連絡入れようと思ってたんだけど…」
行き交う人の流れの中、偶然に会えるって嬉しい。
嬉し過ぎて、顔がニヤける。
そうだった、嬉しいけれど今日からしばらくは一緒に居れないんだ。
伝えなきゃ!
「あ、あのね、さっき…きてたの。だから、今日は帰るね」
「…そっか。残念な気持ちもあるよね…。でも結婚してからならチャンスはいくらでもあるし…焦らなくてもいいよね?」
「……チャンス?」
「うん、いづれは赤ちゃん欲しいよねって話」
周りに聞こえないようにコソコソと小声で話していたつもりだが、有澄が小悪魔的な笑みを浮かべて顔を覗き込まれたから赤面して立ち止まる。