「…とにかく、身体を冷やさないようにして、さっさと帰れ!」

「私、風邪はひいてませんよ?」

「…知ってる」

「………?」

私は、そんなに怠そうに仕事をしていた様に見えていたのか・・・。

しかし『風邪はひいてない』の返答に対して『知ってる』の意味は何だろう?

まさかとは思うが、二日酔いがバレていたとか・・・自分では気づかないけれど、お酒の匂いがするとか・・・!?

もう素直に謝るしかないな。

「ごめんなさいっ、私っ…!!」

「…こちらこそ、気づいてやれなくてごめん。杉野のからもしかしたら…って聞いたんだ。男には分からないから、女の子の日の痛みとか…。生理休暇もあるんだから、遠慮なく使って貰って構わないから!こーゆー時、男の上司って役ただずだと思う…」

いつもクールな日下部さんが目線も合わさずに頬が赤らんでいて、焦ってる様にも見えて、いつもと違って可愛らしい。

綾美にだけは『友達(香坂君の事は誰にも話していない)と飲み過ぎてちょっと二日酔い』と話してあったから、私の非を上手くフォローしてくれたんだ。

女の子の日になっているとは思いも寄らなかったけれど・・・。