焼肉を食べてから、相良さんの車で有澄の自宅付近の駅前まで送ってもらった。

駅前のドラッグストアに寄り、恥ずかしいので生活用品に紛れ込ませて購入した検査薬。

「いっせーので見ようね」

生理予定日の一週間後から検査が出来ると記載されていたので、帰宅してから袋から取り出すと真っ先にトイレへ向かった。

トイレから出た後に裏返しにして置いた検査薬を表側にすると・・・

「あっ、」

妊娠反応が無く、陰性だった。

「…子供がいる生活もいいかなって考えてたけど、今はちょっとホッとしてる。ごめんね、心配かけて…」

有澄は何も言わずに微笑んで抱きしめてくれたけれど、有澄はどっちを期待してたんだろう?

女の子の日が来るまでは完全には安心出来ないけれど、今のところは妊娠していないと思う。

嫌がらせ事件も解決したし、これでまたいつもの日常に戻れる。

「…ゆかり、もしかしてストレスで遅れてたんじゃないかな?佐藤さんが辞める事とかボードとか…」

ストレスか・・・。

考えた事がなかったな・・・。

「そっかな?一週間以上遅れたのって初めてで凄く不安だった…」

「これからは何でも言ってよ。どんな些細な事でもいいから」

「うん、分かった」

自分では大丈夫って思っていても、知らぬ内にストレスがかかって負担になっていたのだろう。

有澄に抱きしめられていると、心地好くて安心出来る。

「お風呂、入ろっか…。ゆかり、先に入っていいよ」

有澄の一言で私はこくんと頷き、お風呂にお湯を溜めに行く。