「どうやら二人だけで話があるそうですよ。そう言えば、申し遅れましたが私は秘書の相良と申します。以後、お見知り置きを… 」
名刺を渡されて、名前を見る。
秘書課 "相良 大貴(さがら だいき)"さん。
「わ、私、今は名刺持ってなくて…秋葉 ゆかりです」
私からも名刺を渡そうとしたのだが、いつもバッグの中に忍ばせて置くので手元にはなく、一先ず名前だけを名乗った。
「御存知ですから、御安心下さい。副社長をサポートする為に全社員のデータは把握済ですから。それより…」
相良さんは心配そうに副社長室を見たので、私も同じ方向を見る。
二人は何を話しているのだろう?
殴り合いの喧嘩になっていないだろうか?
「義兄弟とは言え、揃って同じ人を好きになるだなんて不運としか言えないですね」
その言葉に対して、私は何も答える事は出来なかった。
相良さんはあの二人の事をどれだけ知っているのだろう?
日下部さんも初めて会った訳ではなさそうだったし・・・。
「秋葉さんは副社長のどこが好きですか?私はすぐ拗ねて可愛らしいところと、見かけによらずインドア派で、経済学の本か経営者の自伝ばっかり読んでるところです」
沈黙の後、突如としてビックリな話題を振ってきた相良さんに驚きもしたが、それよりも顔色一つ変えずに淡々と有澄の好きなところを話すところがおかしくて、思わず笑ってしまった。
「あの人、暇さえあれば自伝ばっかり読んでるんですよ。面白いですよね、でもそんなところが好きです」
何を話しても相良さんの表情は変わらなくて不思議だったが、有澄の事を良く理解してくれていて好印象なんだろうと言う事が分かる。
「秋葉さんの答えを聞いていませんよ?」
「私は一緒に居ると穏やかな気持ちで居られるし、癒されます。日下部さんとは違い、紳士的な対応と笑顔が好きです」
名刺を渡されて、名前を見る。
秘書課 "相良 大貴(さがら だいき)"さん。
「わ、私、今は名刺持ってなくて…秋葉 ゆかりです」
私からも名刺を渡そうとしたのだが、いつもバッグの中に忍ばせて置くので手元にはなく、一先ず名前だけを名乗った。
「御存知ですから、御安心下さい。副社長をサポートする為に全社員のデータは把握済ですから。それより…」
相良さんは心配そうに副社長室を見たので、私も同じ方向を見る。
二人は何を話しているのだろう?
殴り合いの喧嘩になっていないだろうか?
「義兄弟とは言え、揃って同じ人を好きになるだなんて不運としか言えないですね」
その言葉に対して、私は何も答える事は出来なかった。
相良さんはあの二人の事をどれだけ知っているのだろう?
日下部さんも初めて会った訳ではなさそうだったし・・・。
「秋葉さんは副社長のどこが好きですか?私はすぐ拗ねて可愛らしいところと、見かけによらずインドア派で、経済学の本か経営者の自伝ばっかり読んでるところです」
沈黙の後、突如としてビックリな話題を振ってきた相良さんに驚きもしたが、それよりも顔色一つ変えずに淡々と有澄の好きなところを話すところがおかしくて、思わず笑ってしまった。
「あの人、暇さえあれば自伝ばっかり読んでるんですよ。面白いですよね、でもそんなところが好きです」
何を話しても相良さんの表情は変わらなくて不思議だったが、有澄の事を良く理解してくれていて好印象なんだろうと言う事が分かる。
「秋葉さんの答えを聞いていませんよ?」
「私は一緒に居ると穏やかな気持ちで居られるし、癒されます。日下部さんとは違い、紳士的な対応と笑顔が好きです」



