眠り王子が完璧に目覚めたら




クリスマスの夜も後残り一時間程になっている。


「城、私、行きたい場所がある」


昨日降った雪が残っているせいで、今夜はかなり冷えている。
城は必要以上に翼の肩を抱き寄せた。


「どこだよ…
もう遅いから開いてないんじゃないか?」


「絶対、やってるって。
行こう、ここから近いから」


城は翼に引っ張られて着れて来られたビルを見て絶句した。


「ここは、あのおばはんの…?」


「そう、新宿の裏通りの母だよ」


「い、嫌だ、俺は遠慮しとく…」


「何で??」


翼は行きたくてウズウズしているのが分かる。


「嫌だよ、だって、あなたの相手、その人じゃないよなんて言われてみ?
俺は生きていけない…」


翼はしばらく考え込み、分かったと頷いた。


「じゃ、私だけ行ってくるからここで待ってて」


ズカズカ入って行く翼が心配で、結局、城も中に入ってしまった。
何だか、あの晩のデジャブのようだ。


「俺はここで待ってるから…」


翼は城を見て笑顔で頷き、中のヒラヒラのカーテンの向こうへと消えて行った。
すると、一分もしない内に、またあの助手のような人間が俺を連れにやって来た。

やっぱり…
こうなる事は、前回で分かってたのに…