「会社は別々になっても、つき合ってるのは変わらないじゃん…
それじゃ、ダメなの…?」
城は何も答えずに、テーブルの上の片付けを始めた。
やっぱりこれだけは譲れない…
翼に対する自分の異常な執着に、ほとほと嫌気がさしている。
今の俺は、翼の存在を近くに感じていないと、まともに息さえできないそんな感情に囚われる。
だけど、そんな俺の身勝手な道具に翼を使うわけにはいかない。
それは、分かっているんだけど……
「今日は、ちゃんとお泊りの準備してきたよ。
ねえ、城、せっかくのクリスマスイブなんだし、さっきの話はちょっとだけ忘れようよ。
今夜は特別な夜なんだから…」
城は小さくため息をついた。
「翼、お風呂見てみた?
ここのお風呂は、二人分で作ってあるらしい。
落ち込んでる俺を慰めるつもりで、一緒にお風呂に入ってよ。
いや、翼とお風呂に入りたい」
城を翼の手を取ってバスルームに連れて行った。
「わあ、すごい~~~」
翼は目を丸くしてそのバスルームを見ている。
どこかの五つ星ホテルのバスルームにも劣らずほどの豪華さだった。
翼は考えるふりをして、そして悪戯っ子のような目で城にこう聞いてきた。
「一緒にお風呂に入ったら、今の会社で働いていい?」
城はそんな風に上目使いで聞いてくる翼を胸に強く抱きしめた。
あ~、何て可愛いんだ…
「それは、翼のご奉仕によるな…」
バカな俺は、こうやってきっと翼の術中に嵌まっていく……



