翼はベッドの隅っこに体をつけ、俺を寄せ付けないようにしている。
「そういうのを全部一回抜きにして、会社や自分や皆のために考えてほしいんです!」
翼はもう完全に意固地になっている。
俺も気は強い方だが、翼に関してはほとんどこんにゃくと一緒で、あっちに曲がりこっちに曲がり最後は翼を受け止めるクッションになるのがおちだ。
「それでも嫌だって言ったら?」
俺がそう言うと、翼は俺を悲しそうな目で睨んだ。
「その時は…
この家に住んでもいいけど……
エッチはしません、禁止します…」
翼は本当に本当にずるい。
セックスというものは、愛の高ぶりであって俺がどれだけ翼を愛しているかというバロメーターだ。
セックスなしじゃ愛は語れないし、俺は多分生きていけない。
一緒に住むのはよくってセックスはダメって、生きていく自信がない。
「なんでそんな意地悪言うんだよ…」
途方に暮れている俺を見て、翼はとどめを刺した。
「城を、愛してるからだよ…」
城は背中を向けている翼を自分の元へ引き寄せた。
半分泣きそうな顔をしている翼に優しくキスをする。
「二日、時間をくれ…
ちゃんと考えるから…
翼の心配事が丸く収まるように、考えてみる…
だから、セックスしないなんて言わないでくれよ…」
城は分かっている。
翼だってセックスをしないなんて考えられないはず。
だって、俺達は、最高に相性がいいんだから。
「でも、内容によっては、セックスなしだからね」
言い出したらてこでも動かない翼の性格を忘れていた。
でも、そんなの関係ない。
城はまだ少しだけ濡れている翼の髪に指を入れ込み、激しくキスをした。
今の言葉を数秒後には撤回させるように、情熱的でねっとりとしたキスを…



