皆の目に、私はどういう風に映っていたのだろう…
色仕掛けで室長の心を物にして、そしてその結びつきを会社の中まで持ち込む最低な女…
いや、自分の事は何と思われてもいい。
皆が室長の事を見限らない前に、室長の実力や努力の価値が落ちないように、やはり桜井さんの言う通り私がこの選考会から身を引く以外は考えられない。
本当は最後までやり遂げたかったけれど、自分の満足のいく作品を室長に見てもらいたかったけれど、でも仕方がないこと…
室長を守らなきゃ…
私なんかのために孤独にはしたくない…
翼はデザインに関しての未練がましい思いを全部捨てる事に決めた。
そして、スマホを取り出し、桜井さんにメールを打つ。
“デザイン選考から下りる旨を、今日、室長に伝えます
室長にも納得してもらえるように、努力します”
しばらくして、桜井さんから返信がきた。
“ありがとう…
小牧さんに辛い決断をさせちゃってごめんね
もし上手くいかなくて悩むような事があったら、いつでも相談に乗ります
そんな時は私の顔を思い出してね”
翼は涙が出てきた。
一人でも味方になってくれる人がいるという事は、何よりも力になる。
そして、今度は城にメールを送った。
“今日は外で食事をしない?
室長に大切な話があるので”
かなりの時間が過ぎ翼が退社の準備をしている時に、城から返信があった。
“了解、じゃ翼の家の近くのイタリアンの店を予約しとく。
7時でいい?
それ位にしか行けそうにない”
私は了解とニコニコマークを添えて返信をした。
こんな風にニコニコのままで、室長と話ができればいいのだけれど…



