「桜井さん、本当にごめんなさい…
心配をかけてしまって…
でも、確かに、私と室長はお付き合いしてます。
それって、やっぱりダメですか…?」
翼はほんの少し泣きそうだった。
でも、勝気な自分がその涙を引っ込める。
「ダメじゃない、全然ダメじゃないよ…
恋愛は自由だし、特にこの会社はオープンで何も問題はない。
なんだけどね…」
桜井さんは私の目をジッと見つめる。
「仕事上、ちょっと問題があるみたいなの。
小牧さんが抜擢された今度の新しい企画のデザインなんだけど、実はそのデザイン選考には空間デザイン室でそれなりの実績を上げてる人しか参加できなくて、今回は小牧さんが抜擢されたから、デザイン室からは三人のはずが二人になった。
それだけでちょっと小牧さんの印象は悪くなってるのに、そこで二人が付き合ってるとなると、絶対に非難がでるのはしょうがなくて、一生懸命地道に頑張ってきた人間からしたら、あんまりだって怒ってる」
翼の心臓はドクドク鳴り出した。
室長室に籠っていた私は、そんなデザイン室の変化に全く気付かなかった。
そんな事情があったなんて…
「室長は小牧さんをえこひいきしているって、皆思ってて、今、変な動きになりそうなの」
「変な動き…?」



