そして、墓石に向かって何かをしている。



後をつけていた男の所からは、痩せすぎの男がそこで何をしているのか分からなかった。



そこで、相手の手元を伺える位置へ密かに移動した。



すると、その痩せすぎの男は、墓の下から骨壷を取り出し、その中に入っていた遺骨をかじっていたのだ。



様子を見ていた男は、思わず「あっ」と声をあげてしまった。



その途端、骨をかじっていた男は尾行者に気がついたようだった。



尾行がばれてしまった男は、わき目も振らず一目散に自室に駆け戻った。