その時、川岸で食器を洗い、洗濯をしながら世間話に興じる人たちの姿を確かに見たような気がした。

俺はなんだか懐かしいものに触れたような思いで、それに見とれた。 

従姉妹が俺の頭をぽんぽんと軽く叩いた。

我に返るともう何も見えなかった。

やがて遠くから商店街のざわめきが聞こえてきた。