石を蹴りながら歩いていると、小川のほうから瀬戸物が触れ合うような音がした。見回したが何も見当たらず、俺は空耳だろうと考えた。

少したつとまたさっきの音が聞こえた。

今度は人の話し声も混じっていた。

立ち止まるといつの間にか商店街のざわめきが聞こえなくなっていることに気づいた。

また、瀬戸物が鳴る音と話し声。

一瞬笑い声まではっきりと聞こえた。

見回しても俺と従姉妹のほかは誰もいない。

急にあたりの夕闇が濃くなったような気がした。奇妙な静けさが痛いほど耳に迫る。

従姉妹を呼び止め、先ほど聞いたものついて話した。