歩くだけで汗ばむ暑さも、日が落ちるに従ってだいぶ落ち着き始めた。

小学五年の夏休み前のことだったと思う。

学童保育からの帰り道、従姉妹と商店街の裏通りを歩いていた。

通い慣れたいつものコース。

左手は商店街、右手は小川が流れるその小道は女並通りと呼ばれていた。

夕闇が近づくなか、時おりすれ違う買い物帰りの主婦をのぞいてあたりには人気がなく、少し離れた商店街のざわめきが聞こえてくるほかは静かだった。