ある日、件の従姉妹家族が俺の家へ遊びに来た。

従姉妹は無口で話しづらい人だったので二人でいても間がもたず、せいちゃんの家に連れて行った。

丁度せいちゃんは犬に餌付けをしているところで、垣根の向こう側にその様子を見た彼女は一言

「あれはとり憑かれてる。もう手遅れね」

と言って俺の家へ戻ってしまった。

俺は訳が分からず、また二人になるのは嫌だなあ、なんて思いながら後を追ったんだ。

それからしばらくしたある日、家の前の砂利道にぼんやりと佇んでいるせいちゃんを見かけた。