人気の人形で遊んでいるうちに誤って口に入れて窒息死した子がいて、販売元が念のため回収。

しかし、回収した沢山の人形には子供の『人形を突然奪われた悲しみ』と『もっとこの人形で遊びたい』という強い思いが焼き付いていて、その思いが死んだ子の霊の『寂しい』という怨念と結び付き集合体に。

そして夜な夜な巨大な人形の集合体は元の持ち主の子供の所に行き、『もっと遊びたい』という子供の思いを叶えた後、死んだ子が寂しくならないよいに窒息死させてくという話だ。

あの話は怖かったけど、結局は田所くんの作り話だ。

怖がるとタケシ君と同列に見られるという思いがあり、見栄を張った俺達は

「どうせ作り話じゃねーか」

そう言った。

「僕の言いたいことはそこなんだよね。

もし、『これは実際にあった話なんだけど』って言ったら、みんなどう思う?

きっと『うちの人形は大丈夫かな?』とか『うちに来たりしないかな?』とか『捨てた人形が来たりして』とか、不安になるんじゃないかな?

だって本当にあった話なんだもの。

みんなの人形がそうならないって、断言できないよね。」

誰も何も言えなかった。

俺達の中にも一気に不安が噴出した。