その話は分かりやすく言うと『言霊信仰』の話

「僕が話をする時、なんで『これは僕の考えた話なんだけど』って最初に言うか分かる?

そういうとさ、みんなは頭の中で『あぁ、これは作り話だ』って思うでしょ?

実はね、これってすごく大事なんだよね」

といういつもと違う語りに、みんな「あれ?」って表情をしたのを覚えている。

そんな俺達に構わず田所くんとは続けた。

「『言霊信仰』って考え方があってね

字は言葉の霊って書くんだけど、意味はね、すごく強い気持ちで言葉を喋ったりすると、その言葉が力を持つって意味。

例えばね、タケシし君はよく冗談で僕に「死んじまえ」って言うでしょ?

でもさ、タケシ君が本当に、本当に僕が嫌いで、憎くて、殺してやりたいってくらい恨んでたとするでしょ?

そんなタケシ君が僕に向かってそういう思いをありったけ込めて「死んじまえ!」って言ったとする。

そしたらね、タケシ君の強い気持ちが言葉に引っ付いて僕の所に来るんだ。

そしてね、その言葉が僕に届くと僕は死ぬんだ。

言葉に殺されるんだ。」

もうこの時点でタケシ君は失禁ものだ。