全ての話を自ら『創作だ』と言っていたことから、よくありがちな「俺は霊が見える」「お前、悪霊が憑いている」みたいなインチキ霊感を語ることもなかった。

「これは僕が考えた話なんだけど」と田所くんが話始めると、教室が一瞬で静かになったものだった。

僕たちのクラスメイトは畏敬の念を込めて『怪談先生グレート』と呼んでいた。

小学生ではよくある意味不明なあだ名だ

普段は略して『グレート』と呼んでいた。

もはや田所の「た」の字もない。

そんな田所くんだが、2回だけ創作ではない話をした。