小学校の頃、同級生だった「田所くん」の話

田所くんとは小学校5年から6年の夏休み明けまで同じクラスで、かなり勉強の出来る奴だった。

学校の図書館を『根城』と呼び、本の読みすぎで既に眼鏡をかけていた。

推理小説が好きで、図書館にある面白い本を教えてもらったのを覚えている

「根暗」「ガリ勉」「メガネ」の三冠王だった田所くん

真っ先にいじめの的になる所だったが、彼には他の追随を許さない類稀な才能があった

彼は『怖い話をするのが抜群にうまかった』のだ

そして、彼の話全てが彼の創作だったのだ。

今にして思えば、どこかで聞いたような話だったり、当時の事件をホラー仕立ての話に改変していた。

ということなのだろうが、いかんせん小学生。

湯水のように怖い話を語り続ける田所くんを誰もが崇敬の目で見ていた。