内容に入る前に軽くだが説明を挟ませてもらう。 

高村とは高校大学ともに一緒で今思えば気味が悪い位に仲が良かった、だが周りから見たら俺と高村はどうみても友人同士として釣り合いがとれないように見えただろう。 

高村はルックス、センス、運動神経、頭の出来、どれをとっても一流だった。

そんな高村に比べ、俺はこれといった才能も無い、ごくごく平凡な男だ。

そんな違い過ぎる俺達だが一つだけ共通点があった。
 
それは『恐怖体験談が好き』という一点だ。

それも一般的に知られるような心霊体験では無く、人間に関する物だ。

皆が皆では無いだろうし、間違った考え方かもしれないが俺達はこんな考えを持っていた。

「心霊現象というのは根源的な恐怖だ、得体のしれない謎に満ちた物を恐れるという根源的な物だ、俺達は人間に秘められた狂気的な恐怖を求めている」

心霊を否定している訳ではない、けれど俺達は人間の中にある狂気を求めていた。

だが因果なもので今から話す事は心霊現象だ、真実かは分からない・・・

『俺に確かめる術は無い、だが何かがあったのは間違い無い』と俺は考えている。

少し長くなったが内容に移らせてもらう。