ジメジメとした梅雨の時期だった。

友人の高村から一本の連絡があった。
 
「久しぶりに会わないか?聞いてもらいたい事がある」 

就職で京都にいる高村とは連絡も途切れ、半ば疎遠となっていたが「聞いてもらいたい事」と深刻な赴きを感じた俺は二つ返事で了解した。