親父は数ヶ月程前、旧友の家に招かれた。

古い納屋を近々取り壊すため、中の骨董品を鑑定して欲しいと言われたのだ。

高値で売れれば、骨董品を頭金に納屋を新調しようとしていたのだが、どれも商品になる様な物は無く、旧友は納屋の新調を先延ばしにする事にした。

ガラクタばかりだったが、親父は何かを感じたのか、納屋を取り壊す際

「骨董品を引き取らせて欲しい」

と言い、旧友も快く承諾した。

ハガキは

『言い忘れていたが、取り壊しを2日後行う』

と言う内容の物。

あのガラクタ達は、納屋ごと捨てられるのを恐れ、親父の約束を信じ、ここまでやってきたのだ。