男の成りを見て喜一は

『こいつは金に困ってガラクタを押し売りに来たタイプだな。

動きがせわしないのは、きっと取立にでも追われているのだろう』

と喜一は考えた。

男の独り言は、まるで相談の様。

「どうする?

しかし時間が無いぞ、この子に任せてはどうだろう?

でもこんなガキに全てを任せるのは・・・」

喜一は男の態度にイライラし、

「おじさん、冷やかしなら帰ってくれよ。今は買い取り出来ないからさ」

喜一がきつく言うと、男はガラクタがあふれ出るパンパンのカバンを悲しげに見つめて、無言で出て行った。