それから学年が変わり高2になった頃またイトウの名前を耳にする。

今度は同じ部活の隣のクラスの奴だ

『なぁ、イトウって知ってる?お前と同じ中学なんだろ?』

「いや、知らないって・・・」

『だってさ、お前と同じ部活で3年間同じだったって言ってたよ』

「はぁ?ちょっとどういう知り合いなのか詳しく聞かせてくれよ」

久々にその名前を聞いて嫌なことを思い出したけど、正体を知りたくて詳しく聞いてみた。

『女だよ。背の低いさ・・・友達の友達なんだよね。

この前そいつとカラオケに行ってさ、ノリのいい奴。』

「いや・・知らない・・・女ならなおさら知らない・・・」

『マジ?連れてきてやるよ。本当にイトウ、お前の事詳しいから」

俺、そこらで怖くなったよ本当にどんな記憶を辿っても知らない奴なんだから。

わりと聞く名前だけどイトウなんて同級生は一人もいない

それから数日後。

『お前に会わせようとしたイトウさ・・・いなくなったらしい・・・』

「え?なんで?」

『分からん。突然、家を捨てて夜逃げみたいな感じだったって・・・』

「・・・」

次イトウは意外なところで現れる