手を伸ばし、ダイヤルを回すとブン、と低い音がして画面がゆっくりと明るくなった。俺は驚いて見守ったがそこには砂嵐が映し出されるだけだった。

いつの間にか隣りにいた従姉妹が、日が暮れるしもう帰るよ、と言ってダイヤルを回しテレビを消した。

窓の外を見ると確かに暗くなり始めていた。

車に戻り暫く道を走ると、従姉妹がため息をついて言った。

「凄いもん見つけたね、あのテレビ」 

俺が何のことか分からずにいると、従姉妹は続けて言った。
 
「さっきまで視線を感じてた。団地からずっと追ってきてたよ、多分あんたがテレビつけたときから」

今更ながら徐々に焦り始める俺を尻目に、従姉妹は言い切った。