何となく腰が引けてしまった俺とは対照的に、従姉妹は次から次へ無遠慮に見回っていた。

オカルト好きで変わり者のこの従姉妹は、普段は何を考えているのか分からなかったがこういうときは頼もしかった。

ある棟の一部屋に入ったとき、俺はあまりの異様さに目を見張った。

その玄関には靴が脱ぎ散らかされ、コンロにはフライパンが置いてあり、押し入れからは布団が崩れだしていた。