後日、従姉妹にあの夜見たものを聞いてみた。

俺はかなり後を引きずっていたのだが、従姉妹は全く堪えていないようだった。
 
「あれはね、生きてるものではないね。肉体が活動しているかって意味で言えばってことよ」

「何であんな高い場所に打ちつけてあったんだよ」

「ああいうのは感情の強さによって、形を変えるの」

「死んでらもあそこに通ってたってこと?」
 
「通ってたってより、あの人形そのものになっていたんじゃないかなあ。あの人形、やたらノッポだったでしょ」
 
そして従姉妹はにやりと笑ってつけたした。

つまり、あの人形をあんたの家に置いておけば、毎晩あれがくるんだよ。

しばらくの間、俺はそれまでとはうって変わって家中を掃除するようになった。