とにかく、何かが、得体の知れない何かが追ってくるのを想像して全力で駆けた。

バイクの隠し場所にたどり着くと、従姉妹を急かしてバイクの後ろに飛び乗った。

その間片時も背後の森から目を離さなかった。

エンジンがかかり、走り出すと安堵感が全身を包んだ。

最後に振り返ったとき、森の入り口に何か白いものが見えたような気がしたがよく分からなかった。