やや大きめの木の下にさしかかったとき、従姉妹が嬉しそうに何かを指差した。

見上げるとその木に板が打ち付けてあった。

いや、ただの板ではない。

太い釘が大量に刺さっている。

近づいてよく見ると、板に細い木材を組み合わせたノッポな人形のようなものが付けられており、そこに五寸釘が大量に打ち込まれていた。

俺は人形を見上げながらどこかしら奇妙な違和感を覚えていた。

藁人形ではなく木の人形、身を捩るような造形のそれは、全体は稚拙ながら関節まで再現され、それ故に禍禍しさを感じさせた。

俺は従姉妹に引き上げようと告げ、元来た道を戻り始めた。

従姉妹は意外にも素直についてきたが、恐ろしいことを口にした。

「夜に来てみない? 丑の刻参りが見られるかも。釘、まだ新品だったし」