キーンコーンカーンコーン

ふわふわ夢の中
「雨宮さん、雨宮さん。」

誰かが私のことを呼んでる、心地いい....

ん?誰か?誰の声だろ?

はっ、となって目を覚ます。

外を見ると、もう空はオレンジ色。

野球部のランニングの声がかすかに聞こえた。

「ごめんなさい、私....1時間だけって言ったのに....」

「まったくだ。あんまり気持ちよさそうに眠るから、起こす気も起きなかった。何だか悪いことをした気分だ。」

やはり冷たい。こ、こわい。

「ありがとうございました!すみませんでした!」

あわてて飛び出そうとすると、

ベッドの脚に小指をぶつけた。

「っつ.....。」

痛すぎる....。

うずくまっていると、

「なんだ、今度はどこか痛むのか。」

先生の声。

「あっ大丈夫でっ....。」

顔を上げた瞬間、



唇が、触れた。




痛みなど忘れて、保健室を後にした。