「そういう事なので先輩、メール教えてください。電話番号も…」

「愁〜?」
大勢の女の子がこの子を探している。
メールを交換すると言っていた電話番号を聞かずに女子とは反対の方へ走っていった。
チーターみたいだなあのこ…。

キーンコーンカーンコーン

あ、お昼休み終わってしまった…ご飯食べれてない…。
あ〜さっき買ったいちごみるくも少しぬるくなっている。

裏庭にしか自販機ないのが面倒だな…

「ねえ、なんか遅いと思ったけど…告白とは椛先輩さすがですね。」

馬鹿にした様子で私の右側から顔を覗かせる男の杞憂 秋(きゆう あき)。
うるさいから無視無視。
「てか初対面ってあの子…有名なのにな〜。私だったら付き合うわ。」

少し私に性格が似ているがお姉さんぽい存在のいっちゃん。
いっちゃんは色気たっぷりで左目の下に小さなほくろがあって黒髪の女の子。

「有名ってあの子?」

ぽかーんと口を空けいっちゃんを見つめる。