「うっそ、傘持ってないのに!」



よりによって、近くにコンビニや開いているお店がない道。


走っていくと、そこそこ有名なホテルが見えてきた。



「お兄ちゃんたち、ここで結婚式挙げるとか言ってたな…」



そんなことをふと呟いた瞬間、近くで雷の落ちる音がする。



ホテルの先にコンビニが見えたけど、雷の怖さに咄嗟にホテルの中に入った。



「うう、寒い…」



7月だから暑いはずなのに、雨に濡れた身体にクーラーはキツかった。


初めて入ったホテル〈contrast〉は、中庭が全面ガラス張りで見えるようになっており綺麗にライトアップされている。



「綺麗…」


もっと近づいて見てみようとした時だった。







「………大丈夫か?」