「……………」

「なんか言ってよ………」



思わず梨都を抱きしめる。



「ちょ……陽稀さん…」

「俺も好きだよ」

「……………っ」



もどかしくてどうしようもなかった。



最初、俺から持ち出した同居生活。



勢いで結婚まで提案して。



気持ちが通じあってるわけでもないからって曖昧な状態で同居してきた。



気持ちが通じあったと分かった瞬間、今まで押さえてた想いが溢れそうだった。



「これで正式に決まりだな」

「な、なにが」

「結婚」



当たり前だろ。


気持ち通じあったんだから。



「その…付き合うとかすっ飛ばし?」

「え、今更設けるつもり?」

「私の政略結婚どうなるの」

「…後々考えよう」



うん、後々考えればいいや。