Contrast Love～社長と私～

家に置き忘れてたやつ。


どうせ隣の部屋だし、会議直前に持ってこようとしてたものだ。



「虹太が持ってきたのかしらね」



沙弥の言葉に曖昧な返事を返しながら、これを持ってきたのは梨都だと確信できた。



「そろそろ時間だわ、私行くわね」

「おう、頼んだ」



沙弥がフロアからいなくなると、静かに自宅の扉まで歩く。



なぜ、これを落としていったんだろう。



静かに扉を開けると、座り込んでる梨都がいた。



「梨都…」

「……っ」




俺に気づいて顔を上げた梨都は涙でぐしゃぐしゃだった。