家に帰ると、何故か虹太と梨都がテレビゲームをしていた。


「虹太さん、ちょっとは手加減してくれていいのに」

「俺ゲームは男も女も容赦しないから」



あー………


「あれ、陽稀おかえり」

「陽稀さんいつの間に!」



それだけ言ってまたゲームに戻る2人。


「梨都ー。美里に会ってきたぞ」

「………っ」



さすがにゲームの手は止まった。



「どうだったよ」

「美里は政略結婚に反対してるから、詳しいことは知らなかった」

「俺も調べてはいるんだけど、なんせ公にしてるものじゃないから詮索しにくくて」



俺と虹太の話を聞いていた梨都がようやく口を開いた。



「美里ちゃん…元気でしたか?」

「お前が無事でほっとしてたよ。遊びに来るって言ってた」

「お兄ちゃんは…」

「まだ政略結婚を諦めきれてないらしい。梨都のことはお兄さんには黙ってもらってるよ」

「そっか…お兄ちゃん諦め悪いからなぁ…」



ここまでして諦めきれないのは、よほど良い条件を持ってこられたからだろうな。



「政略結婚のことは俺らに任せて。梨都ちゃんの人生なんだから自由に生きなきゃ」



虹太はそう言い残し、部屋を後にした。