Contrast Love~社長と私~

「スマホの設定はできたか?」

「うん、なんとか」

「お兄さんから連絡は」

「……大量」



そりゃそうだよな。



「単純に私を心配してるのか、お店のことを心配してるのかわかんない。いつもなら前者だって思えたけど、今はそう思えないから…」



今は現実逃避していたい。


そう呟く梨都は、頑張って気丈に振る舞っていた。


あの何とも言えない顔してるから、バレバレなんだけどな。


「美里に話聞いてみるか…」

「え、なんで陽稀さんが美里ちゃん知ってるの…」

「大学の後輩」


梨都の話だと、美里は政略結婚のことに反対していた。


美里にだけでも、梨都が無事であることくらい伝えてもいいと思う。


そう話すと、梨都は渋々頷いた。



「お兄さんには言わないように伝えておく」

「うん…ありがと」



ついでに結婚もどきのことも行ってしまおうか…