Contrast Love~社長と私~

「虹太に何か吹き込まれたな」

「別に…!」

「嘘に決まってる」


梨都に近づくと、顔を背けられた。


「なんでこっち見ないの」

「……」

「虹太に何言われた?」

「何でもないってば! オムライスあげないよ!」

「それは勘弁!」



オムライス大事!


机の上に置かれたオムライスは、店でよく食べているものだった。



「あのデミグラスソースも作ったのか?」

「残念なことに、企業秘密である作り方は丸暗記しているもので」



ニヤッと笑う梨都がものすごく可愛く思えた。



顔が火照るのを誤魔化すために、オムライスを頬張る。



「やっぱ美味いなぁ…」

「服にデミグラスソース付けるくらい好きなんだもんね」



…………昨日のバレてる!



梨都も美里もなぜ言ってくれないんだ…。


「昨日声かけられた時に思ったんだけどね、子供っぽいなぁって心の中で鼻笑いだけしといた」

「心が汚いぞお前…」


裏で何思ってるかわからねぇ…