「ところでさ、梨都ちゃんは陽稀のこと男として見れそう?」

「へっ……?」



変な声が出た。


「だって〜仮にも夫婦だよ? そりゃまだお互いよく知らないだろうけどさ」


『夫婦』という言葉に思わず顔が火照るのがわかる。


「キスの一つや二つすればいいのに」

「ちょっ…!何言い出すんですか!」

「いやいや、親友としてあいつを心配しているんだよ」



明らかに顔は楽しそうですけど。


「あいつ、恋愛は不器用なんだよなぁ」

「虹太さんは女癖悪そう」

「これでも結婚してるわ」


すると、真面目な顔して虹太が私を見た。



「陽稀のこと、頼むな」

「え………」


返事をする前に、虹太さんは部屋から出ていってしまった。



このままじゃ、陽稀さんを見る度に緊張してしまう…