なんだかんだ、陽稀さんが色んなものを買ってくれた。


クローゼットパンパンになりそう…。


ここまでしてくれる陽稀さんがちょっと恐ろしい。



昨日初めて会った女の子にここまでできる?


「ねぇ、陽稀さんは彼女いないの?」

「彼女いたら、梨都連れてこんなとこ来てねぇよ」


そりゃそうか。


「陽稀さんこそ、政略結婚的なのあるかと思って」

「昔させられそうにはなったよ」

「え、阻止したの?」

「うん、まぁ………そんなとこ」



突然、悲しそうな顔をした陽稀さんにそれ以上聞けなかった。


何かあったのだろうか。


でも、今聞いてはいけない気がする。



『知らない人だからこそ、話せることもあるだろうと思って』



昨日そう言ってくれた陽稀さんだけど、私がこの言葉をかけるにはきっと重すぎる。